企業向け地震保険は入るべき?
企業向け地震保険とは?
一般家庭で家を借りたり買ったりするときには、火災保険や地震保険に加入しますよね。企業には企業向けの地震保険というものが存在します。
企業向け地震保険とは居住用の地震保険とはまったく異なるもので、政府や国とは無関係に各損保だけで保障する保険です。ちなみに事業用の物件は上記の一般的な地震保険には加入することができません。企業向け地震保険の定義を見てみましょう。
企業向け地震保険
対象:事業用の自社ビルや自社工場、設備、什器など
補償:地震または噴火による火災、損壊、埋没、破裂、爆発、津波、洪水などの水災
あくまで事業用の建物が対象となるため、個人所有の住居部分が一部ある建物は対象外となってしまいます。設備・什器に関しては該当する事務所内にあるデスクやパソコン、電化製品、あるいは工場にある製造機械や装置、器具、工具などが対象となります。
企業向け地震保険に加入すべき理由
企業を経営していく上で、まだ発生していない災害が万が一起こったときのために予算を割くというのは難しいでしょう。特に資金繰りが大変な中小企業にとっては困難なようで、現状の加入は1割程度だそうです。しかし万が一起こったときにどうなるかを真剣に考えたら、ただちに加入すべき理由は山のようにありますよね。以下にその理由についていくつか紹介しましょう。
地震大国日本の企業であるならば
そもそも地震大国である日本ですが、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震などから鑑みて地震の活動期に入ったとも言われています。全国各地どこでも地震は起こりうるため、もはや絶対に地震が起こらない地域というのは存在せず、小さな地震は実際にあちこちで毎日起こっています。こうした現状を踏まえてこれまでとは違った対策をしていかなければならないことは、企業や社員を守るためには明らかであると言えます。
地震の被害損失を自社でカバーするとなると
仮に自社ビルと工場を持っているとしましょう。その建物および建物内に設置されていた設備・什器が地震によって破損、あるいは地震によって発生した火災によって工場内の機械設備がすべて焼損した場合、損害額はいくらになるでしょうか。ましてや時間帯によってはそこで勤務していた社員や周辺住民にまで被害が及んでしまう可能性もあります。企業向けに地震保険で支払われた保険金は、当面の運転資金や従業員の給料、設備什器の復旧などあらゆる使い方ができ、その内容は自由です。
企業向け地震保険の加入における注意点
仮に大地震が発生した場合を真剣に想像すると、とてもじゃないけど自社ですべての損害を補填するのは無理だと判断して企業向け地震保険への加入を決めたなら、まずは諸条件をしっかり調査しましょう。損保会社によって以下のような契約条件に細かく違いがあります。
- 加入できる建物の構造や建築年
- 都道府県による補償限度額や補償範囲
- 支払い条件や免責金額(控除額)
- 震災が発生した地域での引き受けを一時的に見合わせる期間や時期
国や政府が関わっている一般向けの保険とは異なり、企業向けの地震保険は各損保によって保険料も補償内容も引受け条件もかなり異なります。1つの会社で断られたとしても別の会社で加入できることもあり、またできるだけ多くの情報を集めることで少ない予算でも加入できる保険商品を見つけることができるかもしれません。まずは複数の損保会社から見積もりを取り寄せてみましょう。