そもそも地盤って?
地盤沈下というのはよく耳にする言葉ですが、ではそもそも「地盤」って何?「土地」とはどう違うの?という疑問をぼんやり抱えたままなんとなく使っている人もいるかもしれません。
地盤とは、広辞苑を見てみると「工作物その他を据え置く基礎となる土地。土台。」とあります。つまり、工場などの建造物を建てる際に土台となるものが「地盤」です。建物がなければ、それは単なる「土地」であり、あくまで上に載せるものに対して機能している状態を「地盤」と呼びます。土の構成物のバランスに偏りがある地盤を「軟弱地盤」と呼びますが、これも建物があるからこそ生まれる「軟弱」という概念というわけです。
不同沈下とは?
まず地盤沈下については「地盤沈下はどうして起こる?原因と対策を解説」でも詳しくご紹介しましたが、何らかの理由で地中の水や空気などの構成物のバランスが変わり、地面が下がってしまう現象を表します。床の傾きが起こる原因の1つですが、仮に地盤沈下によって床が下がったとしても、建物が建っている敷地内で均等にそれが起こった場合、床は傾きません。つまり地盤沈下が均等に起これば、そこで暮らす人にとって特に問題はないわけです。
しかし、地盤の一部が軟弱地盤で周囲が良質地盤、といったバランスの場所で地盤沈下が起こった場合、沈下の度合いは均等にはなりません。これを「不同沈下」と呼びます。不同沈下が発生するには、地盤の質の違い以外にも、荷重が偏っていたり、一部が盛り土であったり、地層内に傾斜があったりなど、様々な原因があります。
地盤陥没とは?
陥没というと突然大きな穴が空くイメージが浮かびますが、まさに地盤陥没は地面に突然大きな穴が空くことです。2016年に博多駅前で大きな陥没が起こったのはまだ記憶に新しいと思いますが、この時も突然一瞬にして地面に大きな穴が空きました。
こうした恐ろしい地盤陥没が発生するには、植栽や古井戸、コンクリートガラなどの埋設物の影響や、水道管や下水管の老朽化によって発生した亀裂から漏れ出した水がいつの間にか地中に大きな空洞を作ってしまうなど、あらゆる原因が考えられます。しかしいずれの場合も陥没は一気に発生するため準備がしにくく、被害も大きいことが特徴です。
地盤の強さを簡単にチェック
さて、不同沈下や地盤陥没など床の傾きの原因を作る現象はできるだけ避けたいものですが、いずれも静かに進行するため実際に床が傾くまではなかなか対策を講じにくいのが難点です。
そこで役立つのがこの「地盤サポートマップ」。不同沈下も地盤陥没も、地盤が強ければ起こりにくくなりますよね。この「地盤サポートマップ」は住所などから地域を検索すると、「強い地盤」→「やや強い地盤」→「ふつうの地盤」→「弱い地盤」の4段階でその場所の地盤の地耐力を知ることができます。地盤の強さに加え、地震時の揺れやすさや液状化の可能性などのもチェックできます。全国100万以上の地盤調査・解析実績をもとにしたデータと地図が無料で利用できるこの「地盤サポートマップ」、使わない手はありません。
これから工場や倉庫を建てる場合はもちろん、現在利用している場所がどんな地盤の上に建っているのかを知る上でも役立ちますので、ぜひ一度チェックしてみてください。