当サイトでは工場や倉庫、店舗の床の傾きを治してくれる業者を紹介しています。
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床の傾きを放置してはいけないワケ

新設時には水平だったはずの床も、地震や地盤沈下などによって傾きが生じてしまうことがあります。床の傾きは一般住宅でも生活上の不具合を伴うものではありますが、工場、倉庫、店舗などの事業施設では、荷物がまっすぐに積み上がらなかったり、段差が生じてフォークリフトの走行が困難だったり、機械の水平が確保できなかったりと、業務上無視できない大きな支障を生み出してしまう大問題です。また、毎日そこで作業をする従業員の健康を守る上でも、早急に対処する必要がありますね。

このサイトでは、そうした事業施設の沈下修正を行うにあたって、採用可能な工法の種類とそれぞれのメリットやデメリット、そして各工法を得意としている業者を紹介します。

事業用の建物に採用される4つの沈下修正工法

①コンクリート打替え工法

①コンクリート打替え工法

土間コンクリートを一度壊し、地盤が沈下している部分に砕石を入れて締め固め直し、土間コンクリートそのものを新しく作り直す工法。

メリット

地盤が沈下した部分を締め固めるため、地盤沈下で生じた床下の空洞は解消される。また、コンクリートを新しく作り直すため、仕上がりの見栄えがよい。

デメリット

既存のコンクリートを壊す際に、修正が必要な部分の上にあるものをすべて移動させる必要が生じる。また、既存のコンクリートを壊す際に大きな騒音と振動が発生し、壊した後はコンクリートガラが排出されるため産廃費用がかかる。工期についてもコンクリートを新設する際に養生期間を要するため、トータルで1ヶ月ほどかかる(500m²〜1,000m²の場合)。

②ウレタン注入工法

①ウレタン注入工法

沈下・段差・傾き・空隙が生じた既設コンクリート床に小さな穴を開けてウレタン樹脂を注入、樹脂が発泡する圧力で地盤を圧密強化し、地耐力を向上させながらコンクリートを押し上げて元に戻す工法。

メリット

既設の床を壊さずに施工するため、①と比較すると工期がかなり短くなるほか、大型プラントの設置、荷物や機械などの撤去移動などが不要。営業や操業を止めずに施工が可能であるため、顧客離れやキャッシュフローを止めるリスクが発生しない。床下の空洞が充填されるため長持ちする。

デメリット

費用が比較的高い。床下の埋設物など建物の構造に配慮する必要がある。

③コンクリート増し打ち工法

③コンクリート増し打ち工法

たわんでしまっている土間コンクリートの上に鉄筋を組み立てて生コンクリートを増し打ちし、床をかさ上げして平らにする工法。

メリット

既存の土間床を壊さずにたわんでいる箇所に上からコンクリート床を打設するため、②と比較すると価格が安く済む。

デメリット

地盤沈下の場合は既存の床下に空洞がそのまま残る形になり、さらにその上のコンクリート量が増えるため、その重みによって再沈下のリスクが生じる。

④表面処理工法

④表面処理工法

たわんでいる土間コンクリートの表面を、新たに樹脂モルタルや無機系レベリング材で覆って表面を平らにする工法。

メリット

既存の土間床を壊さず、そのまま樹脂モルタルや無機系レベリング材で覆うため、③と同様に価格が安く、工期は短く済む。

デメリット

材料を伸ばして沈下している部分を覆う工法であるため、30mm程度までの厚みにしか対応できない。③と同様、地盤沈下の場合は既存の床下に空洞がそのまま残るため、再沈下のリスクが生じる。また、クラックが発生している床を工事する場合はクラック再発生のリスクが高い。

工法の比較結果

コンクリート
打替え
ウレタン注入 コンクリート
増し打ち
表面処理
工期
(約300㎡あたり)
約3週間 2-3日 約1週間 約1週間
値段 参考価格:350万円~※1 参考価格:250万円~※1 参考価格:250万円~※1 参考価格:200万円~※1
荷物・機械などの移動 不要
操業・休業の有無 業務を停止して工事を行う。もしくは、ブロックを区切って施工していない場所のみ操業を続ける。 不要夜間施工・操業を続けながらの施工が可能 業務を停止して工事を行う。もしくは、ブロックを区切って施工していない場所のみ操業を続ける。 業務を停止して工事を行う。もしくは、ブロックを区切って施工していない場所のみ操業を続ける。

※1 施工する業者、沈下量、条件によって費用は変わってきます。詳しくは各業者にお問い合わせください。

床を完全に新しくしたいならコンクリート打替え工法

コストや工期は気にせず、床を完全に新しくすることを最優先するなら、コンクリート打替え工法が最善の解決策です。コンクリートの取り壊しによる騒音や振動、ならびに産業廃棄物が生じるというデメリットはありますが、床の問題を根本的に改善して新しく生まれ変わらせることができる工法です。

操業を止めずに直すならウレタン注入工法

施工中に荷物や機材を移動することができない、操業を止められない、床を壊す際の騒音や振動が発生するのは困る、短期間で直したい、というご要望がある場合はウレタン注入工法がおすすめです。また、床下の空洞をウレタンで100%埋めることが可能であるため、クラックや沈下が再発生するリスクも抑えることができ、長い目で考えると最もコストパフォーマンスのよい工法です。

沈下量が多い場合に経済性のみを優先するならコンクリート増し打ち工法

操業を停止できる施設ならば、工事費を抑えられるのはコンクリート増し打ち工法です。地盤沈下に起因する床下空洞の根本的な解消はできないこと、コンクリートの重みで再沈下するリスクがあることを踏まえた上で、建物の長期的な使用を考えるよりもとにかく費用を抑えたいという場合には最もおすすめの工法です。

沈下量が少ない場合に多少のリスクに目をつむるなら表面処理工法

コンクリート増し打ち工法と同じように操業を一定期間停止できる施設ならば表面処理工法もおすすめです。また、コンクリート増し打ち工法と同様に床下の空洞が解消できないという点に加え、クラックが発生している場合は再発のリスクがあることを承知するならば、沈下量が少ない場合には短期間・低コストで施工することが可能な工法です。

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